思えば、私のこれまでの人生、ずっとモノづくりをしていました。16歳でサックスを始め30年あまり、30代半ばでレザークラフトを始め10年あまり、ほぼ毎日、何か良いモノをつくりたいと思案していたように思います。なぜそんなことばかりしてきたのでしょうか。
ステージに立って演奏することは裸になることより恥ずかしい、という言い方をします。これは、演奏とは裸になる以上に自分自身をさらけ出して、はじめて人に聴かせることのできるモノになる、ということを例えた言葉です。
私が心を動かされる作品と出会ったときは、興味は自然とその作者自身へと向かい、あれこれ想いを巡らせてしまいます。そしてこの「心が動く」とは、人が人との間に「共通、共感する何か」を見出した時に起こる感情ではないかと思っています。
私にとって「つくる」とは自己開示そのものです。そこから生まれる共感や繋がり、感動をいつも探し求めています。さらけ出すべくモノをつくり、そのモノを通して私自身を見てもらう、そしてそこにあなたと私とに共通の何かを見出せたとしたら…
そんなことを考えながら、思案と制作を続けています。
このウェブサイトをつくること、それは改めて自分自身を見つめ直す良い機会にもなりました。その中から出てきた私のモノづくりの核となる部分を、この新たなスタートに寄せて綴ってみました。
ここから、ひと針ひと針を縫うように、このウェブサイトも丁寧に育ててゆきたいと思っています。
みなさん、どうぞよろしくお願いいたします。
D.A.61 leather works
安田将人