革は半裁といって牛の半身の大きさで仕入れるのですが、その縁の部分というのは、裁断して整えられた断面とは違い、一枚一枚独特の表情をしていて、とても魅力的です。ただ、同一のものをつくろうとする製品としては使用できないために、廃棄されてしまうことも多いようです。
D.A.61 leather works の工房には、革を仕入れるたびに、捨てるには忍びなく溜まってゆくこの「革の縁」がたくさんあります。この部分を使って何かつくれないかと、ずっとあたためていたアイデアを形にしてみました。
ひとつひとつ、「革の縁」の形から、バッグ本体のベストなシルエットを探り、型紙をおこしました。カードポケットを付けてみたり、曲線のステッチを入れたりと、思うままにつくってゆきます。ホックは真鍮製を使用し、すべて手縫いで仕立てました。使用する中で増してゆく革のツヤと、くすんでゆく真鍮の経年変化も感じていただけます。
ミュージシャンが集まって即興的に音楽を紡いでゆくことを ”jam” と呼びます。今、目の前にある革と対話しながら、出てきたイメージをその場で形にしてゆく。このバッグたちの制作過程は、このジャムる感覚にとてもよく似ていました。
革というのは一枚一枚個性があります。これを生かしてものづくりがてきれば、おのずと廃棄する部分も減ってゆきます。そんな思いも込めて “avoid note ver.2” とサブタイトルを付けました。”avoid note” と名付けたコンセプトについてはこちらのコラムをご覧ください。
商品ページ
jam #001 (avoid note ver.2)
jam #002 (avoid note ver.2)
jam #003 (avoid note ver.2)